WOODPROは建設現場で使い古された杉足場板をアジのある内装用素材として再生販売。エコカッコイイ国産の天然素材です!
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岡山 注文住宅
いくつもの意外性が用意された、余白を楽しむ家
床面積50坪分もの足場板を使って、施主であるお客様自ら内装を仕上げられた一戸建住宅です。いただいた完成報告の素晴らしい写真に興味を引かれ、岡山県加賀郡吉備中央町でバラ作りをされている吉川さんのお宅をお訪ねしました。
美しい丘が連なる吉備中央町は、宮崎駿の世界を彷彿とさせるような、どこか懐かしくてのどかな場所です。
“円城ふるさと村”という、楽しいゲートを通り抜けていくと、道のあちこちに「山菜大臣〇〇〇夫」とか「ぶどう大臣〇〇〇子」といった看板が目につきます。都会から新しく農業を始めた人たちが集まっているようで、田園風景の中にも遊び心のある都会的センスを感させる不思議な場所です。
写真のとおり、ガルバリウム鋼板で覆われた外観は、一見して超モダン。丸窓のあるドアの向こうには、どんな近未来空間が現れるのかと思わせます。 と、いざドアを開けると・・・。
そこに現れたのは、ゆうに2階分の高さがある倉庫のような広々とした大空間。使い込まれた足場板のフローリングに棚、レトロモダンな家具が心地よく配置され、ゆったりとジャズが流れます。
「寝室と洗面・浴室・トイレ以外はあえて間仕切りを一切設けず、自由なスペースを大切にしたかった」のだとか。「家という入れ物自体は、耐震強度の問題とかあるので専門家に。とにかく、ローコストでなるべく容量の大きい入れ物を作ってと依頼しました。」家の中に関しては、あまりに独創的な希望が多かったので、設計事務所も「外はするから、中は自由に好きなように作ってください」と言ったのだそう。そして、そのとおり自分の好きなように作り上げた究極のこだわり空間です。
「床に貼る板 も、自分のイメージに合うものをと、いろいろ探していました。そんなとき見つけたのが足場板。びっくりするほどローコストで、雰囲気もすごくいい。自分の 求めていたものと、ピッタリ一致。色にもすごくこだわりがあったので、ペンキはもちろんニスだの柿渋だのと、いろいろ試してみましたが、どれも思うような 色になりません。そこでWOODPRO店長代理に教えてもらったオイルステンのライトオークを試してみたところ、とてもいい色が出たのです。塗りたてのと きから見ると、少し退色して色が薄くなっていますが、またそれがいい味をだしています。また、大型犬を2匹飼っていますが、足場板のフローリングは犬の足 にもやさしく、なおかつ汚れや傷が気にならないので、犬と共に暮らすにはこれ以上ない素材と言えます。」
1.玄関を入ってすぐ横に置かれた、足場板の端材で使った下駄箱。それぞれの板が持つ個性や色合わせにこだわって、見事な傑作ができあがりました。
2.玄関とリビングの境に置かれた、足場板の飾り棚。ところどころ向こう側が見えるので、圧迫感がなく、玄関からの視線をやわらげてくれます。
3.足場板のオーディオラックの上には、20年もののオーディオが美しく並んでいます。両脇に並ぶスピーカーのケースもやはり手作り。オーディオ、スピーカー、ラックの3つが、トータルに計算された美意識を感じさせます。  
4.リビング側は素材を生かした色に、玄関側は白いペンキを塗ることで、ひとつの棚が全く別の表情に。なんと棚に並ぶガラスの器、備前焼、かごはどれも吉川さんの弟さんの作だそう。
(左)ドッシリとした机にレトロモダンな椅子の赤が絶妙なコントラストになっています。
(右)右奥の間仕切りの向こうが寝室
使い込まれた家具はどれも新品にはない味わいのあるいい表情。本当にこの空間にびっくりするほどなじんでいます。
右の椅子はファルコンチェアという1970年代のノルウェー製チェア。座ったとたん至福の時が流れます。
(左)天井の高いキッチンに業務用の設備機器がマッチ。ローコストかつ美しく質の高いキッチンです。
(中)レトロな雰囲気の洗面。
(右)玄関から直接洗面所に通じるドア。外から連れ帰った犬の足を洗うためのもの。
外壁にはガルバリウム、屋根は鶏舎に使われているものでローコストを実現。農業用資材を利用した物干し・ベンチセット・手前の柵も、みな吉川さんの手作りです。フェンスにはジョークたっぷりの英語版「犬に注意」のおしゃれな看板が・・・。(上左)リビングからはすがすがしい高原の景色が独り占めできます!夜には日本でも3本の指に入る美しい星空をながめられるのだとか。なんともうらやましい限り。
(左)心地いいデッキももちろん足場板
ただし、上の写真のように無塗装のままのウッドデッキ部分(左)と、オイルステインを塗った室内部分(右)では、色だけでなく質感もかなり違います。ちなみに、この無塗装のデッキ部分(右)は、今後ペンキで塗装する予定とのこと。
吉川さんからのメッセージ
完成したら、もう終わりの家でなく、そこからいろいろ足したり引いたり、変化を楽しむことのできる家が欲しかったのです。予算的な面からとにかくローコストで容量の大きい頑丈な入れ物をプロに作ってもらい、中は自分でなんとかしようと思っていました。住まいとして求められる機能としては、決して快適ではありませんが、不自由さの自由さを楽しんでいます。
ポイントとなったのは足場板との出会い。たった一人で、貼っていくのはとても大変な作業でしたが、一枚一枚表情の違う板をどう並べるか、こだわりながら敷いていきました。
こんなにこの空間に溶け込み、お気に入りの家具とも抜群の相性とは驚きでした。
また、もうひとつ意外だったのが、足場板の吸湿率のよさ。設計士さんからは、「結露がひどいかも」といわれていたのに、湿気はみんな足場板が吸ってくれて、室内はとてもカラッと快適です。

「時間売ります」
自分たちの住む家ではありますが、都会に住む人たちが訪ねてきて「扉の向こう流れる全く違う時間」を楽しめるス ペースとしても活用していきたいと思っています。興味のある方はぜひご連絡ください。
吉川さんプロフィール
大阪で仕事をしていたが、ランに魅せられ自ら栽培に携わることに。研修中に出会ったバラ栽培農家に心酔。岡山の吉備中央市でバラを作り始めて10年。オーストラリアで出会った妻のユキさんと2匹の大型犬と暮らす。

吉川雅之
Address 岡山県加賀郡吉備中央町  E-Mail rosemont@h7.dion.ne.jp
WOODPROから
「大工仕事は今回が初めて」という吉川さんの見事な作品!には脱帽でした。この度の施工に合わせて初めて丸ノコを買われたそうですが、なかなかどうしてプロ顔負けです。
ローコストで機能的な素材が杉足場板以外にもいろいろあるのも驚きでした。建設資材や農業資材をさりげなく利用されてましたが、本当によく馴染んでおり、ちょっとした発見です。
四角い鉄の箱?というイメージの外側と味わい深い足場板をフローリングや家具にふんだん使った内側のギャップに「住まいってこういうもの」という予想(既成概念)を見事に裏切られました。
あの不思議な空間で枠組みにとらわれない価値観に気づく…まさに吉川さんの狙い通りですね。
日頃の喧騒から解き放たれて「時間」を楽しんだひとときでした。今度はお気に入りの焼酎を持って満天の星空を見にうかがいます。本当に楽しい時間をありがとうございました。

PS.吉川さんも参考にされた「HASUDAの家」を設計監理されたクレパスのささき様から偶然にも連絡がありました。その後の様子をうかがったところ、ますます快適でお施主様も喜んでいらっしゃるとのこと、本当に安堵いたしました。吉川邸の調湿効果のお話をしたところ、「HASUDAの家」ではお風呂上りにバスマットを使わなくとも快適に住まわれているエピソードをお伺いしました。木がちゃんと呼吸し続けるようにと、吉川さん同様に浸透型(非造膜タイプ)の塗料をご利用になったのがポイントのようです。
やっぱ無垢の木っていいですね♪
誰かの真似をするのではなく、流行を寄せ集めるのでもなく、自分らしい部屋をつくるためには、
まずは足元を見つめることから始めなくてはいけません。
「たったひとつの住まい」は、 たったひとつの人生から生まれるのですから。

別冊天然生活
「暮らしのまんなか」からはじめるインテリア VOL.2より
地球丸 定価1200円
2006年12月17日発行
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